こちらはスペインタイルアート工房( 敬称略)に通っていた頃のいわば修行時代に、初めて描いたアズレージョ作品で、私の原点と言えるかもしれません。17世紀にリスボンで作られた絵柄です。原画に忠実に描くことに専念しました。
薄い青から濃い青へと確か5段階もの工程で色を重ねてゆくので、色付けを終えても焼成が終わるまではどうなるかがまったく想像がつかず心配しました。
結果的には、初めてにしてはまあうまくいったほうではないかと思っています。
焼きあがって見るまではお楽しみと不安とがいつも背中合わせ。
でもこれがきっと絵付けタイルの大きな魅力なのだと思います。
こちらはもう何年も前に、スペインタイルアート工房主宰の展覧会に出させていただいた作品です。原画は天使の顔や体つきが少しグロテスクというのかあまり可愛くないので、私なりにアレンジを加えました。青だけのもステキなのですが、こんなふうに部分的にカラフルに他の色を使ったものもいいなと思います。
天使たちが引き立って見えますよね。
上の作品もそうですが、カラフルな色の使用は一般的でないにしろ、アズレージョには青の他に黄色を使用したものはわりと多いようです。
ところで皆様お気付きでしょうか?
写真では少しわかりずらいしれませんが、左下のほうに一箇所、右下のほうに二箇所斜めに線のようなものが入っています。実はこれ、私が宅配業者に送ってもらう際の梱包が悪くてタイルにヒビが入ってしまったものなんです。
でも見ようによってはかえって、年代ものの古いタイルの味がにじみ出ているように思えたりしませんか?
こちらは現在ブログのタイトルの文字の背景、テンプレートといいますが、これにごく一部分のみを使用しています。
背景を囲んでいる淡い花々の額縁が、華やかさとシンプルな絵柄全体を引き締める効果をあげているように思います。こちらの天使は変えたのは顔の部分のみ。原画にほぼ近い感じに仕上がっています。
私の一番お気に入りの天使です。
大分昔にPARISのクリュニー美術館で見た、『貴婦人と~』の何枚もの連作シリーズに魅せられ、試しに絵皿で作ってみたものです。
最初にタペストリーの持つ背景の落ち着いた朱赤の感じを出すのが難しそうだと思いました。普通の絵の具と違ってスペインタイルの赤は混色が難しい色なのですが、同系色の透明色の赤、オレンジ、黄同士は可能です。一段階目は赤とオレンジ半々で使用しましたが、案の定、地がタイルではなく白いお皿だったので、透けて一段と鮮やかなオレンジ色になってしまいまた。
次に今度は赤一色で塗り重ねてみると、一段階目より濃く発色して何とか画集の色には近づいたとは思うのですがいかがでしょうか…
2014クリスマス小品展のために、スペインタイルを紹介する作品として作製したものです。15×15cmタイルを6枚使用。
現物を見ないとわかりにくいかもしれませんが、様々な技法が各所に取り入れられています。今回初めてチャレンジした技法もあります!
どんなお皿にするか大きさや全体のバランスなどのレイアウトが決まるまでが一番苦労しました。もちろん完成までにかなり時間がかかっています。