まずは下の写真をご覧下さい!!
北大路魯山人の初期の代表作
つばき鉢 1938年(何必館所蔵)
昨年の暮れ、京都祇園にある何必館(京都現代美術館)の北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)の常設展示室で思わず見惚れた一枚の器である。
名前のとおり、大ぶりの椿の花が大胆に鉢いっぱいに絵付けされていて目を魅かれる。
日本の陶芸絵付けというのは、どちらかといえば繊細に品よくさらっと筆で描かれたものが多いというのが私のイメージだった。絵付けよりも造形やテクスチュアに重きが置かれるせいだろうか。もちろん有田焼など彩色が豪華で華やかなものもあるだろうが、全体的に「和」の雰囲気と言うものに共通するものがある。
そんな中でこのつばき鉢はまさに異色であった。
ところでこの写真をご覧になった第一印象はどういう感じだろうか?
私が実物を見る前に最初雑誌で見かけたときは、お茶碗だし少し大ぶりであればカフェ・オ・レボウル(茶碗)にいいかもなどと想像していた。
このように中側まで大胆に絵付けされている。
※銀座黒田陶苑さんより画像を拝借しました。
実はこの鉢は北大路魯山人の数多くの作品の中でもやはり人気が高いようで、いろいろのバリエーションがあるようだ。
ネットなどに載っている説明として、だいたい八寸(24センチ)の寸法のものが実用的で、茶の湯の菓子鉢や料理の盛り付けにちょうど良いサイズであると書いてあったりもする。
と一旦断っておいて、驚かれる方も多いと思うが、実は魯山人本人の手によるこの実物の大きさは、(おそらく皆さんの予想を遥かに超えて)40センチ
を上回る大きさなのだ。最初見たときはまずその大きさに圧倒された。その次に思ったことは、これは何に使うのだろうか?という素朴な疑問であった。洗面器ぐいの大きさだし、でもまさか顔を洗うのに使ったらもったいないし…(笑)。
それは冗談として、やはりこの鮮やかで大胆な色使い、「和」も捨て難しと認識させられた大芸術家の仕事である。
(北大路魯山人一口メモ)
明治16年京都生まれ。篆刻家、画家、陶芸家、書道家、漆芸家、料理家、美食家など 様々な顔を持つ言わずと知れた達人。
廃品利用の名手で、失敗作は捨てずに2度焼きして生かしたという。
(何必館について)
かひつかんと読む。
館長の梶川芳友氏が、近代日本画家の村上華岳の作品を鑑賞するために1981年に自ら建てた。「何ぞ 必ずしも」と疑う自由な精神を持ち続けたいと願い名付けた。
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